頑張りたいのに頑張れない自分に自己嫌悪。アドラー心理学で解説!
頑張りたいのに、がんばれない ・・・そんな自分が情けなくて、自己嫌悪。
わたしも同じように感じた経験があリマス。10〜20代前半の頃は誰でも何度かそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。頑張りたい気持ちがあるからこそ悩んでしまう。つらいですね。
しかし、アドラーは「がんばれていないことが問題なのではない」といいます。どういうことなのでしょうか。
どうして、頑張りたいのに、がんばれないのか?
そのカラクリについて、アドラー心理学からみていきましょう。
勇気くじきとは
アドラーは「勇気づけ」という表現をします。
「勇気づけ」とは、困難を克服する活力を与えることで、他人に対しても、自分自身に対しても、勇気づけをすることができます。「勇気づけ」は相互信頼・相互尊敬に基づく関係の上で成り立ちます。
自分自身に対する「勇気づけ」を考えると、自分自身を信頼して、尊敬、認めることができることが大切になります。
そして、「勇気づけ」と反する言葉として、「勇気くじき」があります。「勇気づけ」されていない上に、勇気がくじかれている状態です。
「勇気くじき」のパターンには、次のようなものがあります。
未達成部分への注目
学校生活でも、減点方式が採用されています。
パーフェクトの100点満点からどのくらい足りないのかで評価すること、されることに慣れています。
できないことをできるように、苦手なことを克服するように、足りない部分を補うように、これらの考え方は減点主義、ダメ出し評価です。
そして100点以上はありません。
オックスフォード大学の医学部では教授が教えたこと以上の答えを書くとテストでは150点など、100点以上をくれると聞いたことがあります。
いいアイディアだと思います。できるところを伸ばしていくことができますね。
私たちはどうしてもできない部分にフォーカスする習慣があります。今の自分で、できているところに目を向ける習慣をつけていくことで、自己肯定感にもいい影響を与えるでしょう。
高すぎるハードルの設定
私たちは、目標を立ててゴールに向かって努力することをよしとする文化、習慣が根づいています。
ともすれば、ゴールに到達しないこと=失敗とみなすような結果重視の見方に偏ることがあります。
いつでもゴール達成できるとは限りませんし、ゴールが今の自分にとって適切なものかどうかもわかりません。
到達できなかった時は、自己肯定することができないでしょう。
結果重視とちがって、プロセス思考という考え方があります。
ゴールへ向かうプロセスを重視する考え方・見方です。
プロセス重視は物事の成功・失敗に左右されず、自分自身の取り組みについて振り返ることができます。
まずは、目標を立てたこと、やってみようと思ったことから自分自身を肯定することもできます。
ゴールを達成したかどうかに振り回されないで、自分がどのように取り組んだか、どうして目標を立てたのか、プロセスについて見ていくことから始めてみませんか。
人格否定
この「人格否定」が1番のクセモノです。
上記のように、ゴールまで到達できなかったり、失敗したり、減点主義で成果があらわれなかった時、私たちが陥りやすいのは、「わたしはダメ人間だ・・」という謎のレッテルを貼って、絶望的に感じてしまうことです。
冷静に考えるとおかしなことだと、わかります。
例えば、音痴だったり、ボーリングが下手だったりと苦手なことがあっても、食べ物の好き嫌いがあったとしても、きっと「わたしはダメ人間だ・・」とは思わないのではないでしょうか。
ところがこのように、目標達成できないことがあったり、失敗すると、途端に「わたしはダメ人間・・」アラームが鳴り始めます。
では、次に「勇気くじき」に陥りやすいテーマについてみていきましょう。
勇気くじきのパターン
勉強・受験
やればいいのにやる気が出ない。結果が出ない、でもそれは自分がやっていないから。
やらなきゃいけないのはわかっているのにどうしてやる気が出ないんだろう。
そして、どんどん焦って、やらない自分を責めてします。自己嫌悪・・。
どうすればいいのかわからない、誰か助けて!と言いたくなること、また言いたくなったことがある人もいるでしょう。
学校の成績評価・受験の合否が人生の進路選択の判断基準になる社会は学生にとって大変なことです。
わたしも、かつては一所懸命、受験勉強をした一人でもあります。
でも、その評価は人格や、人生の評価という物差しではありません。そこに気づいて振り回されないことが大切です。
ダイエット
女の子が、陥りがちな、高い目標を掲げたダイエットです。
体重と自分の価値が比例するような錯覚をしてしまう危険性があります。
あと○Kg、と目標に向かって極端な食事制限や、運動をして体に負担をかけてしまうことがあります。
このダイエットも「勇気くじき」の特徴である、「高すぎるハードルの設定」ひいては「人格否定」が関係している場合がほとんどです。
また、一旦、ダイエットに成功したかに見えても、危険で極端なダイエットをした場合には、リバウンドしたり、食欲のバランスが崩れたりすることがあります。
どうか、短期間で無理なダイエットするのは健康のためによく考えて欲しいですね。
就活(シューカツ)
就活をするのは、ある意味大人と言える20代になった頃ですが、学生のうちは社会的にまだ守られた存在といえます。
ところが、就活で初めて、世間の荒波に出会うことになります。
今までは、月謝を払って勉強をしていたというお客様の立場でしたが、就活では、「うちの会社に入って給料を払う人材」「この学生に投資する価値はあるのか」という視点で鋭くみられます。
また、何社も受けて落ちたりすると自己肯定感もボロボロになっても仕方ないと思います。
ですが、ここも、「人格否定」と受け取らず、「この会社のカラーとは違っていただけ。」と考える方が建設的です。
「勇気くじき」の状態では、自己嫌悪や「こんな自分はダメ人間」の思考がぐるぐるします。そんな思考に陥った時は、
「あ、今勇気くじき」のスパイラルにはまったぞ。
と勇気くじきのカラクリをよく理解して、思い出してくださいね。あなたが、悪いのではなく、「勇気くじき」に思考が傾いている単なるサインです。
では、次にでは、「勇気くじき」ではなく、自分自身を勇気づけるにはどうすればいいのでしょうか。
自分自身を勇気づける3つのカギ
「所属感」・・・自分自身の居場所
自分がマイナス状況に陥ってしまいがちな時、自分自身の居場所があることはとても助けになります。
安心感を持つことができます。
「所属感」とは、「自分がここに存在していいんだ。」という感覚です。
例えば、家族の一員であること、学校のクラスや部活動の友だち、会社、地域のグループなど、自分が存在するところがあるという感覚です。
真面目に突き詰めて考えすぎなくてもいいのです。
家族であるから、ご飯を作ってくれるお母さんがいる、自分の部屋がある、ということから感じてみましょう。
そして、この「感覚」は客観的事実がどうであれ、主観的に感じることです。
人から見てどうとか、誰かに決められることではなく、「自分で感じる」ことです。
さらに気をつけるとすれば、この「感覚」も高すぎるハードルを設定しないで欲しいのです。
例えば、親にも理解されていないとか、なんでも話せる友だちはいない、とかそれも主観なのです。
真実を言えば「自分がここにいていいんだ。」と感じることは誰にでも可能なのです。
「勇気くじき」の圧力いっぱいの環境で、自分にできることは「自分はここに存在していいんだ。」という感覚を持つこと、というより気づくことです。
「信頼感」・・・周囲の人々に対する信頼
「信頼」とは、信じて頼ることです。
「勇気くじき」の状態では信頼することはむずかしいかもしれません。
自己嫌悪や「自分はダメ人間・・」と感じている時は、自分をさらけ出して、頼ることができないでしょう。
しかし、信頼感を持っている人間関係において、自分の目標を共有できると、相手も自分を信頼してくれます。
そうすると、今度は自分を信頼できるようになります。
肩の力がぬけて、リラックスもします。
これも先の「所属感」と同じように、「感」つまり「感覚」です。
周囲を信頼できない、信頼してもらえないと思い込んでいるだけかもしれません。
わたしも、20代の頃、なかなか悩みを打ち明けることができないタイプでした。
「こんなことは誰でも自分なりに解決していることなんだ。」とか「わたしの悩みを相談するなんて時間を取られると思われないだろうか。」とか思っていました。
ですが、それは、わたしに「信頼感」が欠けていたからだと、アドラー心理学を学んだあとの今ならわかります。
やっぱり、自分をオープンにすることは勇気がいります。
自分からアクションすることが必要なんだと学びました。
まずは、自分から、信じて頼る・・信頼してみませんか。
そのためには、弱音を吐く、気持ちを伝える、など自己開示することは自分の心も、相手の心も開くことになって、「信頼感」につながりますよ。
「貢献感」・・・自分が役立っている
これは、自分が、世のため、人のために役立っているという感覚です。
そうです、「感」つまり、客観的事実ではなく、主観でO Kなのです。
自分の貢献を待っててくれる人がいると、信じられることです。これもまた、大きなことをイメージしなくても大丈夫です。
例えば、あなたが子どもであれば、あなたの存在・・健康で過ごしていることはご両親に貢献していますし、パートナーがいれば、相手の人生にどんな形であれ貢献しているでしょう。
生徒であれば、先生の教える存在として先生に貢献していることでしょう。
これら「感覚」は個人の感じ方です。
もしも、「勇気くじき」圧力いっぱいの状態であるならば、この3つの「感覚」を感じてみてはいかがでしょうか。
自分自身を勇気づけることは、慣れていない場合は、意識することから始めてみましょう。
少しづつ、この「感覚」をつかんでいくときっと、ラクになると思いますよ。
自分自身を勇気づけるには
ここで自分自身を勇気づけるための最も近道は何かについてお伝えしましょう。それは・・・
「言葉とイメージと行動を勇気づけで満たしてあげる。」
ということです。
まずは、①自分自身に、そして②気づいたら周りの人に対しても、プラスの言葉を使うことです。
プラスの言葉を口にしたり、目につくところに書いて貼っておくのもいいでしょう。
無理にポジティブな言葉を使うこともありません。
自分になじむ言葉で大丈夫です。無理をすると、違和感を感じて拒否反応が出るし、イメージもわきにくくなります。
一番、手軽で簡単で、実行しやすい言葉、それは・・
「ありがとう。」
です。自分にも、他人にも、気づいたときに「ありがとう。」を口にしてみるのはオススメです。
「自分にありがとうって?」そう思うのも無理もありません。
あまり、自分にありがとうをいう習慣なんてなかったですよね、わたしも全くおんなじです。
ですが、当たり前だと思っていること全てにありがとうと言えることがわかりました。
心臓が動いていること、目が見えること、味を感じること、足があっていきたいところに行かれること、指があって、ペットボトルの蓋が開けられること、このようにあげたらキリがないほど、私たちは」自分に「ありがとう。」が言えるのです。
その習慣がついてくると、他人(というのは家族も含めて、友人、知り合い、誰でもです。)にも自然と「ありがとう。」を感じるようになってくるのですから不思議です。
そんなものかな?信じられない・・いろいろあると思いますが、¥0でできるこの方法、ぜひ試してみてください。
効果がなければいつでも辞めればいいのですから(笑)きっと変化を感じられると思います、わたしのように・・。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
Happy smile ♡rie
この記事を書いた人
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「おだやかに自分を大切に生きる」「心地よい毎日を過ごそう!」をテーマに日々の気づきを発信しているrieです。
【資格】
保育士
ライフコーチ(アランコーエン認定ホリスティックライフコーチ)
認定心理士(日本心理学会)
終活アドバイザー(終活アドバイザー協会)
【経歴】
日本語教師(国内/海外)
子ども英会話講師
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